この記事の前提
ハンドドリップで、粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒の基本レシピから淹れている前提で書いています。
同じ豆で淹れているのに、おいしく感じる日と、薄く感じる日があります。何が違ったのか、そのつど迷います。
粉の量、湯の量、湯温、時間のどれかが毎回違うと、味はぶれます。はかりで粉と湯を量り、湯温を待ち時間でそろえ、時間をタイマーで見る順にそろえます。3つをそろえると、豆や挽き目による味の差を確かめやすくなります。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 日によって濃さが違う | 粉と湯をはかりで量る | 湯温を待ち時間でそろえる |
| 湯温をそろえても薄い日がある | 抽出時間をタイマーで見る | 注ぐ回数と細さをそろえる |
| 器具も手順も同じなのに差が出る | 豆の開封日を確認する | 保存方法を見直す |
ぶれの原因は4つの数字のどれか(粉・湯・温度・時間)
味がぶれる原因は、粉の量、湯の量、湯温、抽出時間のどこかにあります。同じ豆、同じ器具で淹れていても、この4つが毎回そろっていないと、味は日によって違って感じられます。
目分量で淹れていると、粉や湯の量は数グラム単位でずれます。基本レシピ(粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒)は「ハンドドリップ入門|1杯分の基本レシピと味を整える調整表」にまとめています。まずはこの4つを、数字で毎回そろえるところから直します。
豆や挽き目を変える前に、4つの数字をそろえておくと、次に何を変えたときに味がどう動いたかを比べやすくなります。数字がそろっていない状態で豆を変えると、どちらが原因かの見分けがつきにくくなります。
まず粉と湯をはかりで量る(目分量をやめる)
目分量をやめて、粉と湯をはかりで量ります。粉15g・湯250mlのレシピで、粉が1〜2g違うだけで、濃さははっきり変わります。
スプーンや目分量では、同じ「15g」のつもりでも実際の重さがずれます。はかりに乗せて数字で確かめると、毎回同じ重さから比べられます。
- ドリッパーとサーバーをはかりに乗せて重さを0にします。
- 粉を15g量って入れます。
- 湯も同じはかりで250mlまで量りながら注ぎます。
コーヒー専用のはかりは、重さと時間を1台で見られるので、粉と湯を量りながら抽出時間も確認できます。詳しくは「コーヒースケールは、味を毎回そろえたい人に要る」に書いています。
キッチンスケールを使う場合も、粉と湯を別々に量れれば十分です。ドリッパーごとサーバーに乗せて重さを0に戻す機能があると、注ぎながらでも湯の量を見られます。
湯温を毎回同じにする(沸かしてから待つ時間、温度調節ケトル)
沸騰直後の湯は約100度です。ケトルのふたを開けて1〜2分待つと、90度台前半まで下がります。この待ち時間を毎回そろえると、湯温もそろいます。
待つ時間は、ケトルの湯量や室温で前後するので、目安として使います。同じケトル、同じ湯量で淹れる日は、待ち時間も同じにそろえやすくなります。ケトルの選び方は「ドリップケトルは、細口があれば温度調節は後回しでよい」にまとめています。
温度計が無いとき
沸騰してから時計で1分、2分と時間を計り、味の違いを比べます。何分待った湯かをメモしておくと、次から同じ待ち時間を選べます。
毎回同じ湯温にしたいときは、温度調節つきの電気ケトルを使うと、待ち時間を計らなくても湯温を決められます。
時間をタイマーで見る
抽出時間は、感覚ではなくタイマーで見ます。基本レシピの2分30秒に、毎回同じ時間で合わせます。
スマホのタイマーでも十分です。蒸らしの30秒から本注ぎの終わりまでを通しで計ると、日によるずれがすぐに見つかります。ドリップスケールなら、重さと同じ画面に時間も出るので、はかりから目を離さずに計れます。
時間が毎回そろうと、粉と湯の量、湯温との組み合わせも安定します。3つをそろえると、豆や挽き目による味の差を確かめやすくなります。
注ぎ方をそろえる(同じ回数・同じ細さ)
粉、湯、湯温、時間をそろえても、注ぎ方が毎回違うと味はぶれます。注ぐ回数と、湯の細さをそろえます。
3回に分けて注ぐ日と、一気に注ぐ日では、粉と湯の触れる時間がずれます。回数を決めて、毎回同じ回数、同じ細さの湯で注ぎます。
注ぎ方のメモ
蒸らしの湯量、本注ぎの回数、1回あたりの量をメモしておきます。次に淹れるときに同じ手順で再現できます。
湯の細さは、いつも同じ太さの線で落とすことを目安にします。太い線と細い線を日によって変えると、粉と湯が触れる面積が毎回違ってきます。
豆の状態もそろえる(開封からの日数・保存)
豆の状態も、味がぶれる原因のひとつです。開封からの日数がたつと、香りの成分が減り、同じレシピでも香りの強さが日によってずれます。
密閉した容器で保存し、開封日をメモしておきます。同じ豆でも、開封1週間後と3週間後では、香りの出方がはっきり違って感じられます。
豆の鮮度そのものの見方は「コーヒー豆は焙煎日から数える。飲み頃は3日後から3週間」にまとめています。器具の使い方をそろえたうえで、豆の状態も記録すると、味がぶれる理由を切り分けやすくなります。
手挽きミルを使うときは、挽き目のダイヤルも毎回同じ数に合わせます。書き手が使っているタイムモア C2は、ダイヤルの数字で挽き目を決めるので、その日の数字を控えておくと次に同じ挽き目へ戻せます。
よくある質問
はかりが無いときはどうしますか
計量スプーンで代用できますが、同じ「大さじ1」でも重さは毎回わずかに違います。はかりが無いときは、いつも同じスプーンと同じすり切り方を決めておきます。
湯温は温度計で測るべきですか
温度計が無くても、沸騰してからの待ち時間で近づけられます。毎回同じ待ち時間にそろえれば、湯温のばらつきを減らせます。
同じ豆でも日によって味は変わりますか
粉、湯、湯温、時間のどれかが毎回わずかに違うと、同じ豆でも濃さや香りの出方が日によってずれます。よくあることなので、まず4つの数字をそろえるところから直します。そろえたうえで残る違いを、豆や挽き目の差として見ます。
