この記事の前提
ハンドドリップで、粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒の基本レシピから淹れている前提で書いています。
いつもの豆で基本レシピどおりに淹れても、酸っぱさや苦味とは違う渋さやえぐみが残ります。舌にもざらつきが残るので、豆のせいか淹れ方のせいか迷います。
雑味は、細かすぎる粉(微粉)が多いときと、湯をペーパーの壁に強く当てたときに出やすくなります。挽き目を1段粗くする、湯を粉の中心に細く落とす、抽出時間を短くするの順に1つずつ動かします。それでも渋さが残るなら、ペーパーを湯通しし、豆の焙煎日を確かめます。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 渋さ・えぐみが強い | 挽き目を1段粗くする | 湯を粉の中心に細く落とす |
| ざらつきが残る | 抽出時間を短くする | 挽き目をもう1段粗くする |
| 紙のにおいが気になる | ペーパーを湯通しする | 豆の焙煎日を確かめる |
雑味は苦味と別の症状(渋さ・ざらつき・えぐみ)
雑味は、苦味とは別の症状として出ます。舌の奥に重く残る苦味と違い、舌の表面に渋さやざらつきが残り、飲みこんだあとにえぐみが続きます。基本レシピ(粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒)どおりに淹れていても起こります。基本レシピは「ハンドドリップ入門|1杯分の基本レシピと味を整える調整表」にまとめています。
渋さやえぐみは、細かすぎる粉(微粉)が多いと出やすくなります。微粉は表面積が大きく、短い時間でも成分が出すぎて、渋みやえぐみとして感じられます。苦味の直し方は「コーヒーが苦いときは、湯温を下げて、抽出を短くする」に書いています。
苦味との見分け方
苦味は舌の奥に重く残り、雑味は舌の表面にざらつきやえぐみとして残ります。両方が同時に出るときは、まず挽き目と湯の当て方から直します。
まず挽き目を1段粗くして微粉を減らす
挽き目を1段粗くすると、粉の粒がそろって微粉が減ります。細かい粉が減れば、渋さやえぐみのもとになる成分の出方もおだやかになります。
手挽きミルなら、目盛りを1段粗い方向に動かすだけで試せます。刃の状態や挽き目のずれで微粉の量は増減するので、いつもの挽き目をメモしておくと比べやすくなります。挽いたあとの粉を見て、粉のなかに白っぽい粉状のものが多いときは、微粉が多いしるしです。
- 今の挽き目をメモします。
- 目盛りを1段だけ粗い方向に動かします。
- 同じ湯温、同じ時間で淹れて、渋さの強さを比べます。
書き手が使っているタイムモア C2は、ダイヤルで挽き目の段数を合わせるミルです。ダイヤルを1段動かすだけで微粉の量を減らせます。詳しい使い方は「タイムモア C2レビュー|最初の手挽きミルに向く人・後悔しない選び方」に書いています。
湯をペーパーの壁に当てない(細く、中心に)
湯をペーパーの壁に強く当てると、粉を通らない薄い湯がそのまま下に落ちます。縁の粉も湯の勢いで乱れて、渋さやえぐみのもとになります。
ドリッパーの壁から離し、粉の中心に向けて細く落とします。ケトルの口をドリッパーの中央に近づけ、湯の線が一定の太さで落ちる速さを目安にします。
壁に当てやすい注ぎ方
ケトルの口を大きく振ると、湯が広がって壁に当たりやすくなります。手首だけを小さく動かし、中心の一点に細く落とす方が安定します。粉の中心が丸く盛り上がったまま抽出が進むと、壁に当たらずに済んでいる合図です。
ドリッパーの形によって、粉の広がり方と湯の抜け方に差があります。円すい形と台形の違いは「V60とカリタウェーブは、味を変えたい人と、安定させたい人で選ぶ」にまとめています。
抽出時間を短くする
挽き目と注ぎ方を直しても渋さが残るときは、抽出時間を短くします。基本レシピの2分30秒から、10〜20秒ほど早く落とし切るのを目安にします。
湯と粉が触れる時間が長いほど、渋さやえぐみのもとになる成分も多く出ます。時間を短くする分、湯量はそのままにして、注ぐ速さと蒸らしの時間で調整します。
蒸らしの30秒は変えず、そのあとの本注ぎを少し速めにすると、全体の時間だけを短くできます。分割で注ぐ場合は、回数を1回減らして時間を詰める方法もあります。
短くしすぎると、今度は酸味や薄さが目立ちます。10秒単位で少しずつ動かし、渋さと薄さのちょうどよい位置を探します。
ペーパーを湯通しする(紙のにおい)
紙のにおいが気になるときは、抽出の前にペーパーへ湯をかけて捨てます。この湯通しで紙のにおいが薄まり、雑味として感じにくくなります。
湯通しをすると、ドリッパーとサーバーもあらかじめ温まります。器具が冷えていると抽出中に湯温が下がりやすく、渋さの原因が重なります。
湯通しの手順
ペーパーをドリッパーにセットし、湯を全体にまわしかけます。落ちた湯はサーバーにためず、そのまま捨てます。
それでも残るなら豆の鮮度と焙煎度
挽き目、注ぎ方、時間、湯通しを試しても渋さが残るときは、豆の状態を見ます。焙煎から日数がたちすぎた豆や、焙煎が浅すぎる豆は、渋さが出やすくなります。
焙煎日は袋の表示で確かめます。焙煎日の書いていない豆は、開封日から数えて2週間を目安にします。焙煎から日数が開きすぎている豆は、挽き目や湯温を直しても渋さが残りやすくなります。反対に焙煎したばかりの豆は、ガスが多く残っていて、蒸らしのときに大きくふくらみます。
次に買うときは、焙煎日の新しい豆を選びます。挽き目や湯温はいったん基本レシピに戻し、新しい豆で渋さの出方を確かめてから調整します。
よくある質問
雑味と苦味はどう見分けますか
苦味は舌の奥に重く残り、雑味は舌の表面に渋さやざらつき、えぐみとして残ります。同時に出るときは、挽き目を粗くして湯の当て方を直すところから試します。
微粉はふるいで取るべきですか
ふるいで微粉を減らす方法もありますが、まずは挽き目を1段粗くして微粉の量そのものを減らします。ふるいは、挽き目を直したあとの追加の調整として使います。
ペーパーの湯通しは毎回必要ですか
紙のにおいが気にならないときは、湯通しを省いてもよいです。渋さやえぐみが気になる日だけ、湯通しをして試します。
