この記事の前提
ハンドドリップで、粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒の基本レシピから淹れている前提で書いています。
苦くて、後味に嫌な渋みが残ります。砂糖を入れないと飲みにくいと感じます。
苦味とえぐみは、抽出しすぎのときに出やすくなります。挽き目を1段粗くする、湯温を2〜3度下げる、抽出時間を20〜30秒縮める、の順に1つずつ動かします。粉が細かすぎて湯が落ちきらないときは、まず挽き目から直します。深煎りの豆の苦味は性質なので、中煎りに替えます。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 後味に渋みが残る | 挽き目を1段粗くする | 湯温を2〜3度下げる |
| 湯温を下げても苦い | 抽出時間を20〜30秒縮める | 挽き目をもう1段粗くする |
| 3分たっても落ちきらない | 挽き目を粗くする | ペーパーの目詰まりを疑う |
苦いコーヒーには2種類ある
苦味には、抽出しすぎで出る苦味と、深煎りの豆がもともと持つ苦味の2種類があります。前者は挽き目や湯温、時間を直すと弱くなります。後者は豆の性質なので、抽出を直しても苦味が残ります。
粉が細かい、湯温が高い、抽出時間が長いと、湯に成分が出すぎた状態でろ過が終わります。その状態だと、甘みより先に苦味とえぐみが際立って感じられます。同じ豆でも、抽出の加減で印象が大きく変わるところは、酸っぱいときと共通しています。
深煎りの豆は、焙煎の時間が長い分だけ、苦味のもとになる成分が多くできます。浅煎りに比べて、抽出をきちんと合わせないと苦味が前に出やすい豆です。焙煎の途中で火を止める時間が遅いほど、この成分は多くできます。
最初に見分ける方法
基本レシピ(粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒)で淹れて苦いと感じたら、まず抽出を疑います。基本レシピは「ハンドドリップ入門|1杯分の基本レシピと味を整える調整表」で確認できます。
まず挽き目を1段粗くする
苦いと感じたら、最初に挽き目を1段粗くします。粉が粗くなると湯と触れる面積が減って、同じ時間でも成分の出方がおだやかになります。
手挽きミルなら、目盛りを1段動かすだけで試せます。粉で買った豆は挽き目を変えられないため、この段階からミルが要ります。「タイムモア C2レビュー|最初の手挽きミルに向く人・後悔しない選び方」に挽き目の合わせ方を書いています。
ミルによって目盛りの段数が違うため、1段の粗さの変化量も変わります。今の設定をメモしておくと、次に酸味や苦味が出たときに、どこから動かしたかをすぐ確かめられます。
- 今の挽き目をメモしておきます。
- 目盛りを1段だけ粗い方向に動かします。
- 同じ湯温、同じ時間で淹れて、苦味の強さを比べます。
次に湯温を下げる
挽き目を粗くしても苦いときは、湯温を2〜3度下げます。基本レシピの90〜93度から、90度に近づける形で試します。
温度を下げると、苦味やえぐみのもとになる成分が出にくくなります。数字は目安として動かし、1度単位ではなく2〜3度の幅で考えます。
温度計が無いとき
沸騰した湯を1分半ほど置くと、88〜90度前後まで下がります。料理用の温度計を使うと、狙った温度に近づけられます。
最後に抽出時間を縮める
挽き目と湯温を動かしても苦いときは、抽出時間を20〜30秒縮めます。基本レシピの2分30秒から、2分前後を目安にします。
時間を縮めると、湯と粉が触れる時間が短くなり、苦味やえぐみのもとになる成分が出る量が減ります。時間を計るときは、タイマー付きのスケールを使うと秒単位で合わせやすくなります。
挽き目、湯温、時間のうち、時間を縮める調整はいちばん試しやすく、10秒単位で細かく動かせます。最初の1杯で大きく動かさず、少しずつ近づけます。
湯が3分たっても落ちきらないなら目詰まりを疑う
抽出時間を縮めても、湯が落ちきるまでに3分を超えるときは、ペーパーの目詰まりを疑います。微粉が多いと、ペーパーの穴がふさがり、湯の抜けが遅くなります。
挽き目を1段粗くすると、微粉の量が減って、落ちる速さがそろいやすくなります。ドリッパーやペーパーの相性も影響するため、いつもと違う組み合わせを試したときは、まず挽き目を見直します。
3分を大きく超えて4分近くかかるときは、挽き目が細かすぎるだけでなく、ペーパーを折る向きや、粉の量が多すぎることも重なっている場合があります。挽き目を戻してから、1つずつ確かめます。
湯を注ぐ速さも見直す
細く一定に注ぐと、粉の層が均一に湿ります。勢いよく注ぐと、粉の層が崩れて微粉が下に集まり、目詰まりの原因になります。
それでも苦いなら豆を替える
挽き目、湯温、時間を順に動かしても苦味が残るときは、豆の焙煎度が原因です。深煎りの豆はもともと苦味が強く、抽出を直しても苦味の強さは豆の性質として残ります。
次に買うときは、中煎りの豆を選びます。焙煎度の選び方は「浅煎り・中煎り・深煎りは、酸味と苦味のどちらを飲みたいかで選ぶ」にまとめています。抽出不足で酸っぱくなるときの直し方は「コーヒーが酸っぱいときは、挽き目と湯温から直す」に書いています。
豆を替えるときも、挽き目、湯温、時間はいったん基本レシピに戻します。前の豆で粗くした挽き目のまま新しい豆を淹れると、苦味の感じ方の比較がずれます。
よくある質問
深煎りの豆で苦味を抑えられますか
挽き目を粗くする、湯温を下げる、時間を縮める調整で、抽出しすぎによる苦味は抑えられます。豆そのものの苦味は焙煎度の性質なので、中煎りに替えると和らぎます。
お湯を注ぐ速さで苦味は変わりますか
注ぐ速さが遅いと、湯と粉が触れる時間が長くなり、苦味が出やすくなります。一定の細さで注ぐと、抽出の時間を合わせやすくなります。
苦いのと濃いのは違いますか
濃さは粉の量と湯の量の比率で決まり、苦味は抽出の度合いで決まります。濃くても苦くない淹れ方も、薄くても苦い淹れ方もあります。
深煎りの豆はミルの目盛りを変えるべきですか
深煎りの豆は割れやすいため、同じ目盛りでも浅煎りより微粉が出やすくなります。目詰まりが気になるときは、深煎りだけ1段粗い目盛りを試します。
