この記事の前提
ハンドドリップの基本レシピを持っている人が、同じ器具でアイスコーヒーを作る前提で書いています。
ホットのコーヒーを冷蔵庫でゆっくり冷やすと、香りが飛んで白く濁ります。すっきりした香りより先に、濁りと薄い味が目立ちます。カフェで飲むアイスコーヒーとは、見た目からして違ってきます。
氷でその場から急に冷やすと、香りを残したまま冷たいコーヒーが作れます。サーバーに氷100gを入れ、粉20gに湯160mlで濃く落として、落ちた瞬間から冷やします。氷で薄まる分を、濃く淹れて補います。
| 粉 | 20g(中挽き) |
|---|---|
| 湯 | 160ml(90〜93度) |
| 氷 | 100g |
| 時間 | 抽出2分30秒(ハンドドリップの基本と同じ) |
冷蔵庫で冷ますと濁る理由
コーヒーの中には、冷める速さによって固まり方が変わる成分があります。ゆっくり冷ますと、この成分が固まりながら結びついて、液体全体が白く濁ります。この現象をクリームダウンと呼びます。
急に冷やすと、この成分が固まる前に温度が下がるので、濁りにくくなります。氷をたっぷり使って、落ちた瞬間から一気に冷やします。ゆっくり冷ますよりも、濁りが少なく仕上がります。
粗熱を取ってから冷蔵庫に入れると濁る
いったんカップに受けてから冷蔵庫で冷やす方法だと、その間にゆっくり冷めて濁りが出ます。サーバーに氷を用意しておき、落ちる先を氷に変えるだけで濁りを防げます。
レシピ(粉20g・湯160ml・氷100g)
氷100gは、溶けると約100mlの水になります。仕上がりが薄くならないように、湯の量を160mlに減らして、粉20gで濃く抽出します。
ハンドドリップの基本レシピは粉15gに湯250mlです。詳しい手順は「ハンドドリップ入門|1杯分の基本レシピと味を整える調整表」に書いています。アイスコーヒーでは湯を160mlまで減らし、粉を20gに増やして濃く落とします。ドリッパーはV60でもカリタ ウェーブでも、同じ手順で作れます。
湯温は90〜93度を保ちます。濃く落とすからといって湯温を上げると、苦味だけが強く出ます。粉と湯の比率を変えて濃さを調整し、湯温はホットと同じ範囲で使います。細口のケトルがあると、少ない湯の量でも注ぐ速さをそろえやすくなります。
作り方の手順
サーバーに氷を先に入れておくと、落ちた瞬間から冷やせます。手順は次のとおりです。
- サーバーに氷100gを入れます。
- 粉20gをドリッパーにセットします。
- 湯160ml(90〜93度)を、2分30秒かけて注ぎます。
- 落ちたコーヒーと氷をよく混ぜて、すぐに飲みます。
氷が大きいと溶け切らず、飲み終わる頃にはまだ濃いままです。小さめの氷を使うか、注ぎ終わったあとにグラスの氷を軽く混ぜます。サーバーは目盛りのあるものを使うと、湯を何mlまで注いだか一目で確認できます。
豆は深煎りか中深煎りが合う
アイスコーヒーは氷で薄まる前提で濃く淹れるので、浅煎りの豆だと酸味だけが強く感じられます。深煎りか中深煎りの豆を使うと、濃く淹れても飲みやすくなります。焙煎度ごとの選び方は「浅煎り・中煎り・深煎りは、酸味と苦味のどちらを飲みたいかで選ぶ」に書いています。
深煎りの豆は、氷で冷えても香りとこくが残ります。中深煎りは、酸味と苦味のバランスが取りやすい選択です。同じ豆でも、ホットで飲むときより濃く感じにくいので、いつもより一段深い焙煎度を選ぶと外しにくくなります。
薄い・濁るときの直し方
薄いときは、湯の量を150mlまで減らすか、粉を22gまで増やして濃く落とします。氷は変えずに、濃さだけを上げます。粉と湯を同時に変えると、原因がどちらか分からなくなるので、まずは片方だけを動かします。
白く濁るときは、冷やすタイミングが遅れています。落ちたコーヒーが氷に触れるまでの時間を短くして、抽出中も氷が溶けすぎないようにします。粉と湯の量を毎回そろえたい人は、「コーヒースケールは、味を毎回そろえたい人に要る」でスケールの使い方を確認できます。
グラスに移してから薄くなるのが気になるときは、グラスに入れる氷を大きめにします。大きい氷は溶けにくく、飲み終わりまで味が変わりにくくなります。サーバーの氷は溶かして薄める役目、グラスの氷は冷たさを保つ役目と分けて考えます。
水出しとの使い分け
アイスコーヒーは、その場で急に冷やして作る方法です。仕込みに時間がかからず、淹れてすぐ飲めます。香りが残りやすいのも特徴です。豆を挽くところから始めても、10分ほどで飲みはじめられます。
水出しコーヒーは、冷蔵庫に長く置いて苦味を抑える方法です。仕込みに時間がかかりますが、夜のうちに用意しておけば、朝はすぐに飲めます。詳しい作り方は「水出しコーヒーの作り方。粉50gと水600mlを冷蔵庫に8時間おく」に書いています。
すぐに飲みたいときはアイスコーヒー、夜のうちに仕込んで翌朝に飲みたいときは水出しというように、場面で使い分けます。同じ深煎りの豆を使っても、この2つの方法では香りの残り方も苦味の出方も変わります。両方を試して、そのときの気分で選ぶのもよい方法です。
よくある質問
氷はどのくらい入れますか
サーバーに100gが目安です。氷が少ないと薄まりが足りず、熱いまま濁りやすくなります。氷が多すぎても、最後まで飲みきる前に薄くなりすぎます。まずは100gで作って、味を見ながら次から調整します。
ホットのレシピのまま冷やしてはだめですか
湯を250ml使うホットのレシピのまま淹れてから冷やすと、氷で薄まって味が軽くなります。アイスコーヒーは湯を160mlまで減らし、粉を増やして濃く淹れます。落とす先を氷に変えるだけでも、香りの残り方がはっきり違ってきます。
作り置きはできますか
作り置きすると、時間がたつにつれて香りが弱くなります。飲む直前に、その都度落として冷やす方法をおすすめします。まとめて作りたいときは、氷を入れずに濃いまま冷蔵し、飲む直前に氷を加えます。濃いまま冷蔵したものも、翌日までに飲み切ります。
