この記事の前提
エスプレッソにスチームミルクを注いでハートを描く前提です。ミルクの泡がきめ細かくできていることを先に確かめます。できていなければ、先にスチームの記事を読みます。
ハートを描こうと注いでも、白い模様が最後に沈み、カップの中が茶色一色に戻ります。模様が出る日と出ない日があって、直す場所に迷います。
注ぐ位置が高いままか、流量が細いままだと、模様は沈みます。前半は縁から5〜7cm上から細く注いでミルクを下に潜らせ、カップの半分から注ぎ口を液面1〜2cmまで下げて流量を増やすと、白い円が浮きます。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 模様が出ない | 注ぐ高さを5〜7cmに保つ | ミルクの泡を見直す |
| 出ても沈む | 半分で流量を増やす | 引き切りを速くする |
注ぐ高さと流量の切り替えができていない
注ぐ位置が高いままか、流量が細いままだと、模様は最後まで沈んだままになります。前半と後半で、高さと流量を切り替える動きが要ります。基本の注ぎ方は「ラテアート入門|初心者が1か月でハートを描けるようになるまで」に書いていて、この記事では模様が沈む場合だけを扱います。スチームを使わずに比率だけ確かめたい人は、「家のアイスラテは、エスプレッソ2ショットを牛乳150mlに注ぐ」から始める進め方もあります。
切り替えのタイミングは、カップの半分です。半分より前に太くしてしまうと、白い模様が早く広がりすぎて、輪郭がぼやけます。半分より遅れて流量を増やすと、白い円が小さいまま埋もれて、模様がほとんど見えなくなります。位置を下げるタイミングと、流量を増やすタイミングは、同時ではなく続けて動かします。
前半は高い位置から細く注ぐ
最初は、カップの縁から5〜7cm上の高さから、細い線でミルクを注ぎます。高い位置から細く注ぐと、ミルクがいったんカップの底のほうへ潜り込みます。
この段階で低い位置から太く注ぐと、ミルクが表面にとどまって、エスプレッソと混ざりにくくなります。高さと細さを保ったまま、カップの半分まで注ぎ進めます。ミルクが底へ潜っている間に、エスプレッソとミルクが下から混ざり合います。この工程を飛ばして早くから太く注ぐと、混ざる前に白いミルクが表面に残り、色の層がまだらになります。
半分から低く近づけて流量を増やす
カップの半分まで進んだら、注ぎ口を液面から1〜2cmまで近づけて、流量を増やします。低く近づけると、ミルクが沈まずに表面へとどまり、白い円になって現れます。流量を増やすと、ミルクが表面に広がって白い部分が残ります。流量を上げるタイミングが早すぎると、模様がカップの奥に寄って小さくなります。
つまずきやすいところ
半分に達しても流量を上げるタイミングが遅れると、模様が出る前に注ぎ終わってしまいます。半分に達したら、迷わず注ぎ口を下げます。
白い円が出たら、その位置を保ったまま、注ぐ量を安定させます。円の大きさが揺れる間は、高さを動かさずに待ちます。
カップを傾けて液面を近づける
カップを注ぐ側に少し傾けると、液面が注ぎ口に近づき、白い模様を出しやすくなります。傾ける角度は浅くて十分で、傾けすぎるとミルクがこぼれます。傾ける角度の目安は、カップの縁が少し持ち上がる程度です。傾けすぎるとミルクの重さが片側に寄り、線がまっすぐ引けなくなります。白い円が出たら、傾けるのをやめます。
白い模様が大きくなってきたら、カップを少しずつ水平に戻しながら、最後まで注ぎます。傾けたまま最後まで進めると、模様がカップの端に寄って崩れます。
引き切りは細く速く動かす
白い円が十分に広がったら、ピッチャーを持ち上げて、細く速い線でカップの手前まで引きます。この動きでハートの先端ができます。
引く速さが遅いと、模様の先端が丸くもたついた形になります。ピッチャーを持ち上げる高さも、引きながら少しずつ上げると、線が細く仕上がります。引く動きが速すぎると、線が途中で途切れます。
模様が出ないときはミルクを疑う
注ぐ高さと流量を切り替えても模様が出ないときは、ミルクの泡を見直します。ラテアート用の泡は、表面に1cmほどが目安です。
空気を入れすぎると泡が粗くなり、注いでも模様の輪郭がぼやけたままです。注ぐ動きの練習は、水に洗剤を少し入れて泡立てた「にせミルク」でもできます。ミルクの泡立て方は「スチームミルクの作り方|家庭用マシンで理想のフォームを作るコツ」に、泡立たない・粗いときの直し方は「スチームミルクが泡立たない・粗いときは、ノズルの深さと牛乳を直す」に書いています。書き手も、ミルクの段階で安定せず、注ぐ前の泡の状態を毎回見直しています。
泡の状態は、次の点で確かめられます。
- 泡の厚さが1cmを超えていないか
- ピッチャーを大きく振って空気を入れすぎていないか
- ミルクの温度が上がりすぎて泡が崩れていないか
以上を確認して、なお模様が出ない場合は、しばらく低い位置からの注ぎだけを練習します。高さを変える動きに慣れてから、切り替えの練習に戻ります。
よくある質問
ピッチャーの注ぎ口の形で変わりますか
注ぎ口が細く絞られたピッチャーほど、線を細くコントロールしやすくなります。口が広いピッチャーだと、流量の調整が難しく感じられます。
エスプレッソの量はどのくらいですか
この記事では、通常のカフェラテと同じ量のエスプレッソを想定しています。抽出量そのものより、ミルクを注ぐ高さと流量の切り替えで模様が決まります。
水で練習する方法はありますか
水に洗剤を少し入れて泡立てると、注ぐ動きだけを練習できる「にせミルク」が作れます。本番のミルクを使う前に、高さと流量の切り替えだけを繰り返し試せます。
泡が厚すぎるとどうなりますか
泡が目安の1cmより厚いと、注いでもミルクが沈みにくくなり、模様の輪郭がぼやけます。厚みが出すぎたときは、ピッチャーを軽くたたいて大きな泡をつぶしてから注ぎます。
描く前にカップは温めておきますか
カップを温めておくと、ミルクの温度が下がりにくく、模様を描く時間に余裕ができます。冷たいカップだと、表面が早く冷めて泡の状態が変わりやすくなります。
