この記事の前提
デロンギ デディカ EC685 のスチームノズルで、350mlのピッチャーに牛乳を150〜200ml入れて作る前提で書いています。書き手も同じ機種で練習しています。
デディカでスチームを練習していると、泡がボコボコと大きく立つときがあります。逆に、泡がほとんど立たず、ただ熱いだけの牛乳になることもあります。カップに注ぐと、泡と牛乳の層がくっきり分かれます。
泡の粗さも立たなさも、ノズルの深さで決まります。最初の3〜5秒だけノズルの先を牛乳の表面すれすれにして「チチチ」の音で空気を入れ、そのあとは深く沈めて牛乳全体を回します。牛乳は成分無調整を冷えたまま使い、60〜65度で止めます。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 泡が粗い(ボコボコ) | ノズルをもう少し深く沈める | 空気を入れる時間を3秒ほどに縮める |
| 泡がほとんど立たない | ノズルを表面近くまで上げる | 最初の3〜5秒だけ空気を入れる |
| 注ぐと泡と牛乳が分かれる | 止めたらピッチャーの底を叩く | 軽く回してなじませる |
症状で原因を切り分ける
泡が粗くボコボコと大きいときは、ノズルが浅すぎて空気が入りすぎています。泡がほとんど立たないときは、逆にノズルを深く沈めすぎています。どちらも、ノズルの深さを数ミリずつ見直すと直ります。
注ぐと泡と牛乳が分かれるときは、仕上げの工程が抜けています。熱すぎるときは、止めるタイミングが遅れています。原因が1か所とは限らず、複数の要因が重なっていることもあります。症状を確かめてから、直す場所を決めます。牛乳の泡立ての基本は「スチームミルクの作り方|家庭用マシンで理想のフォームを作るコツ」にまとめています。
最初の3〜5秒だけ空気を入れる
ノズルの先端を、牛乳の表面から約1cm下に置きます。スチームを始めたら、最初の3〜5秒だけノズルの先を表面すれすれまで上げ、「チチチ」という音がする位置を保ちます。位置は数ミリの違いで音がすぐ変わるので、少しずつ動かして探ります。
この音が鳴っている間に、空気が牛乳に入って泡ができます。音が大きすぎるときはノズルが浅すぎ、音がしないときは深すぎる合図です。耳を澄ませて、音の大きさをできるだけ毎回同じくらいに合わせます。ピッチャーは350ml前後の大きさだと、片手で角度を保ちやすくなります。
あとは沈めて渦を作る
3〜5秒たったら、ノズルを深く沈めます。ピッチャーを少し傾けて、牛乳が渦を巻くようにします。ノズルを中心から少し外した位置に置くと、渦ができやすくなります。
渦ができると、牛乳全体に熱と泡が均一に混ざります。深く沈めたまま音がしなくなれば、空気を入れる工程は終わりです。この時点でまだ泡と牛乳が分かれたままなら、渦の勢いがまだ弱い合図です。
深さを一定に保つ
沈める深さがぶれると、泡の粗さにむらが出ます。ノズルを動かさず、ピッチャーの方を動かして角度を調整します。泡の状態がそろってきたら、次はラテアートの練習に進めます。詳しい手順は「ラテアート入門|初心者が1か月でハートを描けるようになるまで」に書いています。
牛乳は成分無調整を冷たいまま
牛乳は、成分無調整(乳脂肪分3.5%前後以上)を使います。低脂肪乳や無脂肪乳は、たんぱく質と脂肪分が少なく、泡が作りにくくなります。パッケージの成分表示で、脂肪分の数値をいつも確かめてから買います。開封から日がたった牛乳より、開けたての牛乳のほうが泡が安定します。
牛乳は、冷蔵庫から出したての冷たい状態で使います。常温に近い牛乳も、同じように泡が作りにくくなります。使う直前まで冷蔵庫に入れておくと、ノズルを入れてから泡ができるまでの時間に余裕ができます。ピッチャーも、使う前に冷水を張って冷やしておくと、牛乳の温度が上がりにくくなります。
60〜65度で止めて、底を叩いて回す
牛乳は必ず60〜65度で止めます。70度を超えると甘みが落ちるので、温度計を使うと、止めるタイミングがはっきりします。ピッチャーのふちに挟むタイプの温度計なら、片手をふさがずに数値を確かめられます。
止めたらすぐ底を叩く
止めたら、ピッチャーの底を作業台に軽く数回叩きつけて、大きな泡を消します。そのあと軽く回すと、泡と牛乳がなじみます。回すときは、ピッチャーを水平に保ったまま、小さな円を描くように動かします。この工程を抜くと、注いだときに泡と牛乳が分かれます。
デディカで気をつけること
スチームの前に、空吹かしをしてノズルの中の水を出します。水が残ったまま牛乳に入れると、牛乳が薄まり、泡も乱れます。空吹かしは、レバーを数秒だけ開けて蒸気だけを外に出せば十分です。
使い終えたら、ノズルの外側をすぐにふき取ります。牛乳が乾いて固まると、次のスチームで詰まりの原因になります。ノズルの先に固まりが残ったら、ぬるま湯につけてから拭きます。ぬれた布でひと拭きするだけでも、翌朝の手入れがぐっと楽になります。デディカに合わせてそろえる道具は「デディカを買ったら、次はミルとピッチャーとタンパーをそろえる」に、抽出からラテまでの流れは「自宅エスプレッソ入門|デロンギ デディカで淹れる本格ラテの作り方」にまとめています。書き手もデディカで、温かいラテのスチームは練習を続けています。うまくいった日と、いかない日の条件をメモしておくと、次の1杯に生かせます。
よくある質問
温度計なしで温度は分かりますか
温度計が無ければ、ピッチャーの底に触れて、持っていられないくらい熱くなる直前が目安になります。感覚だけに頼ると日によって差が出やすいので、慣れないうちは温度計を使うと確実です。
泡が多すぎたときは直せますか
スプーンで表面の泡をすくって減らせます。次に作るときは、空気を入れる時間を3秒ほどに短くし、ノズルの位置も少し深めにします。
牛乳の量はどのくらいが作りやすいですか
350mlのピッチャーなら、150〜200ml入れると、ノズルを沈める深さの調整がしやすくなります。少なすぎると渦ができにくく、多すぎるとピッチャーの外にあふれます。慣れるまでは、ピッチャーの目盛りか、はかりで量ってから始めます。
