
先に結論
- デカフェのカフェインは、焙煎する前の生豆のうちに、水・二酸化炭素・溶剤のどれかで抜きます。
- 抜く工程で生豆を一度ぬらして乾かすので、普通の豆より香りが落ちやすくなります。
- 買うときは焙煎日の新しい小袋を選び、抜き方の表示も一緒に見ます。
この記事の前提
焙煎した豆のデカフェを買う場面で書いています。カフェインの量や体への影響は人によるので、この記事では抜き方の仕組みと選び方だけを書きます。
目次(7)
夜もコーヒーを飲みたくてデカフェを買うとき、焙煎した豆からどうやってカフェインだけを抜くのか、見当がつきにくいと思います。抜くときと抜き方を知ると、袋のどこを見て選べばよいかが決まります。
デカフェのカフェインは、焙煎する前の生豆のうちに抜きます。抜く工程で生豆を一度ぬらして乾かすので、普通の豆より香りが落ちやすくなります。抜き方は、水、二酸化炭素、溶剤の3種類に分かれます。
| 抜き方 | カフェインを取り除くもの | 袋の表示の例 |
|---|---|---|
| 水を使う方法 | 水と活性炭 | スイスウォーターなど |
| 二酸化炭素を使う方法 | 高い圧をかけた二酸化炭素 | 液体二酸化炭素抽出法など |
| 溶剤を使う方法 | カフェインを溶かす薬剤 | 方式名が無いことも多い |
カフェインは、焙煎する前の生豆から抜く
デカフェの豆も、もとは普通の豆と同じ生豆です。カフェインを抜く工場では、この生豆の段階でカフェインを取り除きます。焙煎は、抜き終えた生豆を乾かしてからです。
焙煎する前に抜いてあるので、デカフェの豆も普通の豆と同じ粉の量と湯温で淹れられます。基本のレシピと淹れ方の違いは「デカフェの豆は、抜き方を確かめて、焙煎日の新しいものを買う」に書いています。
- 生豆を水でぬらします。
- 水、二酸化炭素、溶剤のどれかで、カフェインを取り除きます。
- カフェインを抜いた生豆を乾かします。
- 焙煎所で、普通の豆と同じように焙煎します。
袋に書かれた焙煎日は、カフェインを抜いた日と別の日付です。飲み頃は、普通の豆と同じく焙煎日を起点にします。
抜き方は、水・二酸化炭素・溶剤に分かれる
水を使う方法は、スイスウォーターなどの名前で売られています。水と活性炭でカフェインを取り除き、薬剤を使わない方法として紹介されることが多い抜き方です。
二酸化炭素を使う方法は、高い圧をかけた二酸化炭素にカフェインを溶かして取り除きます。日本のメーカーでも、キーコーヒーが「液体二酸化炭素抽出法」で90%以上のカフェインを除いたカフェインレスのコーヒーを2022年に発売しています。
溶剤を使う方法は、カフェインを溶かす薬剤に生豆をふれさせて取り除きます。どの方法で抜いたかは、焙煎した豆を見ても分かりにくいので、袋の表示か販売元の案内で確かめます。
表示が無いとき
抜き方の名前が袋や商品ページに無いときは、販売元に問い合わせると分かることがあります。気になる人は、方式名が書いてある豆から選ぶと迷いが減ります。
二酸化炭素の方法は、石炭の研究所で見つかった
ドイツの研究機関マックス・プランク協会の記事によると、ルートヴィヒ・ロゼリウスが1905年に、溶剤で豆からカフェインを抜く方法を特許にしています。そのころの溶剤はベンゼンで、初めのころのデカフェにはベンゼンがわずかに残っていました。
1967年、ミュールハイムのマックス・プランク石炭研究所で、クルト・ツォーゼルが混ざった物を分ける方法を調べていました。その中で、高い圧と温度をかけた二酸化炭素(超臨界の二酸化炭素)にカフェインが溶けると気づき、3年後に「コーヒーのカフェインを抜く方法」として特許を出しました。
| 年 | 人・ところ | できごと |
|---|---|---|
| 1905年 | ルートヴィヒ・ロゼリウス | 溶剤でカフェインを抜く方法を特許にする |
| 1967年 | マックス・プランク石炭研究所 | 超臨界の二酸化炭素にカフェインが溶けると分かる |
| 1970年 | クルト・ツォーゼル | カフェインを抜く方法の特許を出す |
| 1978年 | ドイツの大きな焙煎会社 | この方法で生豆のカフェインを抜き始めると新聞が伝える |
二酸化炭素は、30.1度と73.8バールを超えると超臨界の状態になります。カフェインを抜くときは、70度と162バールまで上げます。同じ記事によると、この方法はいま世界で、年に10万トンの原料からカフェインを抜くのに使われています。
日本では、90%以上抜いた豆をカフェインレスと表示できる
日本のコーヒーの表示ルール(コーヒーの公正競争規約)では、カフェインを90%以上取り除いた豆に「カフェインレスコーヒー」と表示できます。「デカフェ」も、同じ意味で使われることが多い言葉です。
デカフェにも、カフェインはごくわずかに残ります。残る量は商品によって書き方が違うので、細かく知りたいときは商品説明か販売元の案内を見ます。
表示のルールは、デカフェの豆の選び方の記事でも、パッケージの見方と合わせて説明しています。
ぬらして乾かすぶん、焙煎日の新しい小袋を選ぶ
生豆を一度ぬらして乾かすと、香りのもとになる成分が普通の豆より抜けやすくなります。香りが控えめになるので、深煎りにして香ばしさや苦味を足したデカフェが多く売られています。
焙煎度ごとの味の向きは「浅煎り・中煎り・深煎りは、酸味と苦味のどちらを飲みたいかで選ぶ」に書いています。浅煎りのデカフェは数が少ないので、酸味のある1杯を探すときは焙煎度の表示も見ます。
香りが落ちやすい豆なので、100〜200gの小袋で、2〜3週間で飲み切れる量を選ぶと最後まで香りが残りやすくなります。飲み頃の数え方は「コーヒー豆は焙煎日から数える。飲み頃は3日後から3週間」と同じです。
深煎りのデカフェをホットで淹れて苦く感じるときは、水出しにすると苦味が穏やかになります。作り方は「水出しコーヒーの作り方。粉50gと水600mlを冷蔵庫に8時間おく」に書いています。
よくある質問
デカフェは、焙煎したあとにカフェインを抜くのですか
焙煎する前の生豆のうちに抜きます。抜いたあとで生豆を乾かし、それから焙煎します。
二酸化炭素で抜いたデカフェは、どこで見分けますか
袋や商品ページの「液体二酸化炭素抽出法」などの表示で見分けます。表示が無いときは、販売元の案内で確かめます。
デカフェにカフェインは残りますか
ごくわずかに残ります。日本の表示ルールでは、90%以上取り除いた豆を「カフェインレスコーヒー」と呼びます。
参考にした公式情報
- マックス・プランク協会:Coffee withdrawal(カフェインを抜く方法の歴史)(2026-10-31確認)
- キーコーヒー:インスタントコーヒー カフェインレス 発売のお知らせ(2026-10-31確認)