この記事の前提
ハンドドリップで、粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒の基本レシピから淹れている前提で書いています。
色は付いているのに、味が薄くて水っぽく感じます。粉を増やしても、濃さがあまり変わらず、対策に迷います。
薄さの原因は、粉の量だけでなく、挽き目、湯温、蒸らし、注ぎ方など複数にわたります。挽き目を1段細かくする、蒸らしを30秒とる、注ぐ回数を分ける、の順に先に試します。それでも薄ければ、粉を1gずつ増やします。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 色は付くのに水っぽい | 挽き目を1段細かくする | 蒸らしを30秒とる |
| 蒸らしても薄い | 注ぐ回数を3〜4回に分ける | 粉を1g増やす |
| 粉を増やしても変わらない | 挽き目と蒸らしを見直す | はかりで量り直す |
薄さは粉の量より抽出不足が原因になる
薄いと感じたとき、多くの人はまず粉の量を疑います。実際には、粉が粗い、湯温が低い、蒸らしが短い、注ぐ速さが速いという抽出側の理由で、成分が出きっていないことがよくあります。
粉の量を先に増やすと、抽出不足のまま濃さだけが上がり、水っぽさと苦味が混ざった味になりやすくなります。粉を増やす前に、抽出側の調整を先に試すと、少ない粉でもしっかりした味に近づきます。
粉15gに湯250mlは、粉の約16〜17倍の湯量です。この比率のまま粉を1g増やすと濃くなりますが、先に抽出を整えると、同じ粉の量でも濃さが強くなります。
最初に見分ける方法
基本レシピ(粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒)で淹れて薄いと感じたら、まず抽出を疑います。基本レシピは「ハンドドリップ入門|1杯分の基本レシピと味を整える調整表」で確認できます。
まず挽き目を1段細かくする
薄いと感じたら、最初に挽き目を1段細かくします。粉が細かくなると湯と触れる面積が増えて、同じ時間でも成分がよく出ます。
手挽きミルなら、目盛りを1段動かすだけで試せます。粉で買った豆は挽き目を変えられないため、この段階からミルが要ります。「タイムモア C2レビュー|最初の手挽きミルに向く人・後悔しない選び方」に挽き目の合わせ方を書いています。
細かくしすぎると、今度はえぐみや詰まりの原因になるため、1段ずつ動かして味を確かめます。酸っぱいときや苦いときの直し方と同じ考え方で、挽き目から順に試します。
蒸らしを30秒とる
湯を粉全体に少量注いだあと、30秒ほど蒸らします。蒸らしは粉全体を湿らせて、そのあとの抽出を安定させます。
蒸らしを飛ばしていきなり本抽出に入ると、粉の一部だけに湯が偏り、同じ豆でも回によって濃さがそろいにくくなります。時間が無いときも、蒸らしだけは短くせず、抽出時間の方で調整します。
蒸らしが短いと、粉の中心まで湯が届く前に本抽出に入り、成分が出きらないまま湯が落ちます。蒸らしの湯量は、粉の重さの2倍前後(15gなら30ml前後)を目安にします。
蒸らし中に見ること
粉全体が膨らんで、表面に小さな泡が出ます。膨らみが弱いときは、粉が古いか、湯温が低い可能性があります。焙煎から日数がたつほど、膨らみは弱くなっていきます。
注ぐ回数を3〜4回に分ける
蒸らしのあとは、湯を3〜4回に分けて注ぎます。一度に注ぐと、粉の層を湯が素通りしてしまい、成分が出る前に落ちる湯が増えます。
1回目より少なめに注いで、湯位が下がりきる前に次を注ぐと、粉と湯が触れる時間が均等になります。回数を分けるほど、蒸らしに近い状態が抽出の後半まで続きます。
注ぐ湯の細さと一定さも、粉全体への行き渡り方に関わります。中心だけに注ぐと、周りの粉に湯が届かないまま抽出が終わることがあります。
それでも薄ければ粉を1gずつ増やす
挽き目、蒸らし、注ぎ方を直しても薄いときは、粉を1gずつ増やします。基本の15gから16g、17gと少しずつ試して、濃さの変化を確かめます。
20gを超える大幅な増量は、抽出の時間や湯温との相性が崩れやすく、別の失敗につながります。粉を増やすときも、1回の変更幅は1g前後にとどめます。
粉を増やすと、湯が粉の層を通り抜けるのに時間がかかるようになります。同じ2分30秒で淹れると抽出が深くなりすぎることがあるため、時間も合わせて10秒ほど短く調整します。
はかりが無いと同じ味を再現しにくい
ここまでの調整は、粉と湯の重さを量って初めて、同じ条件で比べられます。目分量では、蒸らしの湯量や1g刻みの増量を再現しにくく、次の日に同じ味に戻すのが難しくなります。
湯の量も、サーバーの目盛りだけだと数十ミリリットルの誤差が出やすくなります。粉と湯を1回でも量っておくと、その後は同じ容器の水位で目安をつかめます。
はかりで粉と湯を量ると、同じ味を再現できます。選び方は「コーヒースケールは、味を毎回そろえたい人に要る」にまとめています。
豆の保存状態も、薄さや香りの弱さに関わります。開封後の保存方法は「コーヒー豆の保存方法|開封後に香りを落としにくい保管ルール」に書いています。空気と光を避けて保存した豆の方が、同じレシピでも香りと濃さが安定します。
よくある質問
粉を増やせば濃くなりますか
粉を増やすと濃くなりますが、抽出が足りない状態のままだと水っぽさは残ります。先に挽き目や蒸らしを整えてから、粉の量を調整します。
古い豆だと薄くなりますか
古い豆は香りの成分が抜けやすく、味の輪郭がぼやけて薄く感じられます。焙煎から日数がたった豆は、挽き目を細かくしても、香りの弱さがそのまま残ります。
はかりが無いときはどう量ればいいですか
1g単位のキッチンスケールと、計量カップやメモリ付きサーバーで代用できます。0.1g単位の細かさが無くても、量る習慣があれば味を安定させられます。まずは家にあるはかりで、粉と湯を量るところから始めます。
蒸らしの湯量が多すぎるとどうなりますか
蒸らしの湯量が多すぎると、粉が浮いて湯とうまく混ざらず、蒸らしの状態がかたよります。粉の重さの2倍前後を目安にして、少なすぎず多すぎない量にそろえます。
