
先に結論
- 蒸らしの湯は、粉の重さの2倍(粉15gで30ml)を目安にします。
- 中心から外へ、乾いた粉が残らないように注ぎ、20〜30秒待ちます。
- 泡が消えて小さな穴が開いたら2回目へ。ふくらまない日は焙煎日を確かめます。
この記事の前提
ハンドドリップで、粉15g・湯250ml・湯温90〜93度・2分30秒の基本レシピから淹れている前提で書いています。
目次(8)
ハンドドリップのレシピには、たいてい「最初に少し注いで蒸らす」と書いてあります。何ml注いで何秒待てばいいのか、粉がふくらまない日はどうするのかで迷います。
蒸らしの湯は、粉の重さの2倍を目安にします。粉15gなら湯30mlを、中心から外へ乾いた粉が残らないように注ぎ、20〜30秒待ちます。待つあいだに粉からガスが抜けて、あとから注ぐ湯が粉全体にしみやすくなります。
| 決めること | 目安 | 迷ったら |
|---|---|---|
| 湯の量 | 粉の重さの2倍(粉15gで30ml) | サーバーに数滴落ちたら止める |
| 注ぎ方 | 中心から外へ細く | 乾いた粉を残さない |
| 待つ時間 | 20〜30秒 | 泡が消えて小さな穴が出たら次へ |
| ふくらまない | 焙煎日を見る | 3週間を過ぎたら早めに飲み切る |
蒸らしの湯は、粉の重さの2倍を目安にする
メーカーの淹れ方を並べると、蒸らしの湯の量はそろっています。HARIOはV60の淹れ方で、粉の量の2倍の湯を注ぐ手順にしています。キーコーヒーも1回目の湯量を粉量の約2倍とし、UCCコーヒーアカデミーも粉全量の2倍程度と話しています。
粉15gなら30ml、粉20gなら40mlになります。「ハンドドリップ入門|1杯分の基本レシピと味を整える調整表」の基本レシピ(粉15g・湯250ml)でも、最初に30mlを注いでいます。
はかりが無い日は、落ちてくる滴で止める
キーコーヒーは、粉全体に湯がしみて、サーバーにポタポタと落ち始めたら注ぐのを止める手順を出しています。湯を量らない日は、最初の滴を合図にします。
はかりにドリッパーごとのせて注ぐと、毎回30mlでそろいます。はかりを買うかどうかは「コーヒースケールは、毎回同じ味で淹れたい人に向いている」で決められます。
中心から外へ、乾いた粉を残さずに注ぐ
注ぎ始めは、粉の真ん中です。HARIOは、中心からゆっくり、粉全体が濡れるまで注ぐ手順にしています。キーコーヒーは、ケトルの先から水滴を落とすように、乾いた部分がなくなるまで外側へ向かって注ぐよう案内しています。
- 粉を入れたドリッパーを軽くゆすり、表面を平らにします。
- タイマーを動かし、粉の中心へ細く注ぎ始めます。
- 小さな円を広げながら外へ向かい、乾いた粉が見えなくなったら止めます。
UCCも、湯が全体にむらなく行きわたるように、注ぐ前に粉の表面を平らにならす手順を入れています。粉の山が片寄っていると、湯がしみる場所も片寄ります。
30mlを細く注ぎ分けるには、口の細いケトルがあると楽です。選び方は「ドリップケトルは、細口があれば温度調節は後回しでよい」に書いています。
20〜30秒待ち、表面の泡と穴を合図にする
待つ秒数は、メーカーで少し分かれます。UCCとキーコーヒーは20秒ほど、HARIOは30秒です。ハンドドリップ入門の基本レシピでは30秒をとっています。
秒数のほかに、粉の表面でも見分けられます。キーコーヒーの説明では、湯を注ぐと表面にキラキラした泡が見えて、湯が粉にしみた印になります。そのあと泡が消えて、ボソボソと小さな穴が開いてきたら、蒸らしが済んだ合図です。
| 表面に見えるもの | 粉の中のようす | 次にすること |
|---|---|---|
| キラキラした泡 | 湯が粉にしみた | そのまま待つ |
| 泡が消え、小さな穴が開く | 蒸らしが済んだ | 2回目を注ぐ |
味が薄い、酸っぱいと感じる日は、蒸らしを20秒より短く切り上げていないかを先に確かめます。「コーヒーが薄いときは、粉を増やす前に挽き目を細かくする」でも、挽き目を1段細かくした次に、蒸らしを30秒とる順にしています。
粉は、中のガスが抜けるときにふくらむ
焙煎すると、豆の中にガスができます。チューリッヒ応用科学大学(ZHAW)の研究は、ガスの一部が焙煎した豆の細かいすき間に残り、保存中に少しずつ、挽くときと淹れるときに一気に出ていくと報告しています。
蒸らしの湯をかけると、このガスが出ていき、粉がふくらみます。UCCコーヒーアカデミーは、蒸らしにはガスを取り除く役割と、粉全体に湯の通り道を作る役割があると話しています。キーコーヒーも、蒸らしをコーヒーのガス抜きの工程と説明しています。
一気に注がず、蒸らしを先にする
UCCは、湯を一気に注ぐことをペーパードリップのNGの1つに挙げています。蒸らしをしてから注ぎ始めると、成分を引き出しやすくなると説明しています。
湯が粉にしみたあとの成分の溶け出し方は、挽き目でも動きます。仕組みは「細かく挽くほど粉の表面積が増え、成分が早く溶け出す」に書いています。
ふくらまないときは、焙煎日から確かめる
同じように注いでも、粉がほとんどふくらまない日があります。ガスは保存のあいだに少しずつ抜けていくので、焙煎から日がたった豆ほど、蒸らしでふくらむ量も小さくなります。
逆に、焙煎して1〜2日の豆はガスが多く、湯を注ぐと大きくふくらみます。ふくらみすぎて湯の通り方がぶれるときは、豆を数日休ませてから使います。
| 袋の焙煎日 | 蒸らしの見え方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 焙煎から3日以内 | 大きくふくらむ | 数日休ませる |
| 3日後から3週間 | ふくらみが落ち着く | いつものレシピで淹れる |
| 3週間を過ぎた | ふくらみが小さい | 早めに飲み切り、次は少なめに買う |
飲み頃の決め方は「コーヒー豆は焙煎日から数える。飲み頃は3日後から3週間」に、自分で焙煎した豆を休ませる日数は「焙煎した豆は、2日休ませてから飲み、2週間で飲み切る」にまとめています。
よくある質問
2杯分を淹れるときは、蒸らしの湯も増やしますか
粉の重さの2倍に合わせて増やします。粉30gなら60mlです。2杯分の時間ののばし方は「2杯・4杯を淹れるときは、比率はそのままで時間を少しのばす」に書いています。
蒸らしのあいだにコーヒーが落ちてきても大丈夫ですか
数滴なら手順どおりです。キーコーヒーも、サーバーにポタポタと落ち始めたら注ぐのを止める手順にしています。細く流れ続けるときは、次の1杯から蒸らしの湯を減らします。
蒸らしの秒数は、20秒と30秒のどちらにしますか
メーカーの目安は20秒と30秒に分かれます。表面の泡が消えて小さな穴が開くのを待ち、迷ったら30秒に決めて毎回そろえます。
参考にした公式情報
- HARIO:V60 シリーズ(淹れ方)(2026-11-01確認)
- キーコーヒー:ペーパードリップの淹れ方(2026-11-01確認)
- キーコーヒー:ご家庭で本格的なコーヒーを楽しむには(2026-11-01確認)
- キーコーヒー:コーヒーをいれるお湯の温度(2026-11-01確認)
- UCC:ペーパードリップの淹れ方(2026-11-01確認)
- ウェザーニュース:コーヒー抽出時の3つのNG(UCCコーヒーアカデミーの話)(2026-11-01確認)
- ウェザーニュース:ペーパードリップの注ぐ回数と場所の比較(UCCコーヒーアカデミーの検証)(2026-11-01確認)
- ZHAW:Time-resolved gravimetric method to assess degassing of roasted coffee(2026-11-01確認)