この記事の前提
350ml前後のフレンチプレスで1杯分を作る前提です。一般的な作り方と、器具の公式の使い方で書いています。
フレンチプレスをもらったものの、粉の量とふたをしてから待つ時間に迷います。淹れてみると、カップの底に粉が沈み、口当たりも重く感じます。
フレンチプレスの1杯は、挽き目と時間を決めれば安定します。粗挽き15gに90〜93度の湯250mlを注ぎ、ふたをして4分待ち、プランジャーは10秒ほどかけてゆっくり押します。細かく挽くと、粉が金属の網を抜けて泥っぽくなるので、粗挽きにできるミルが要ります。
| 粉 | 15g(粗挽き) |
|---|---|
| 湯 | 250ml |
| 湯温 | 90〜93度 |
| 浸す時間 | 4分 |
| 押す時間 | 10秒ほど |
挽き目は粗挽きにする
フレンチプレスは、金属の網で粉を漉します。紙のフィルターより網の目が粗いので、細かく挽くと粉が抜けて、カップの底に沈みます。目安は、ざらめ糖ほどの粗さです。指でつまむと、粒の形がはっきり分かる大きさになります。粗挽きは粉がかさばって多く見えますが、重さは同じ15gで量ります。
ハンドドリップと同じ挽き目のまま淹れると、粉っぽさの原因になります。逆に粗くしすぎると、湯が粉の間を早く抜けて、味が薄くなります。粗挽きの設定まで対応するミルを使うと、挽き目のダイヤルを変えるだけで両方の抽出に使えます。書き手がハンドドリップに使っているタイムモア C2 は、粗挽きの設定にも対応しています。ミルが無い人は、店で「フレンチプレス用」と伝えて粗挽きにしてもらえます。フレンチプレス本体の容量と素材の選び方は「フレンチプレスは、容量と素材で選ぶ」に書いています。
湯を注いで4分待つ
容器に粗挽きの粉を入れ、90〜93度の湯を250ml注ぎます。中心から外側へ、全体に湯が行き渡るように注ぎ、軽くかき混ぜるのは最初の1回にとどめます。湯温は、沸騰した湯をポットに移して1分ほど置くと目安の温度に近づきます。
ふたをして、そのまま4分待ちます。途中でふたを開けたり、何度もかき混ぜたりすると、抽出の進み方が乱れます。時間はキッチンタイマーで計ると、毎回同じ濃さに近づきます。スマートフォンのタイマーでも代わりになります。
かき混ぜは1回だけ
湯を注いだ直後に軽く1回混ぜれば十分です。何度も混ぜると細かい粉が舞い上がり、仕上がりが濁ります。
プランジャーはゆっくり押して、すぐ注ぐ
4分たったら、プランジャーを10秒ほどかけて押し下げます。勢いよく押すと、粉が湯の中に舞い上がり、粉っぽさにつながります。手のひら全体で、真上から均等に力をかけます。柄の部分だけを指でつまんで押すと、力が偏って網が斜めに沈みます。
押し終えたら、抽出した分をすぐに全部カップへ注ぎます。容器の中に残したままにすると、粉が湯に浸かり続けて抽出が進み、苦味が強くなります。2杯分をまとめて作るときも、残さずいったん別の容器に移します。最後の数滴には細かな微粉が集まりやすいので、無理に注ぎきらずに残しておきます。
粉っぽいときは挽き目と押し方を見直す
粉っぽさの原因は、挽き目・押し方・注ぐタイミングの3か所に分かれます。症状から、直す場所を先に決めます。1度に全部を変えると、どこが効いたのか分からなくなるので、1か所ずつ試します。
| 症状 | 先に動かす | 次に動かす |
|---|---|---|
| 粉っぽい | 挽き目をひとまわり粗くする | ミルの粗挽き設定を確かめる |
| 泥のように濁る | プランジャーをゆっくり押す | 押す速さを10秒ほどに延ばす |
| 後半だけ味が濃い | 抽出した分を残さずすぐ注ぐ | 4分を超えて置かない |
粉っぽさは、ハンドドリップの雑味と同じく、細かい粉と湯の当て方が関係します。粉の細かさと湯の注ぎ方を見直す手順は「コーヒーに雑味が出るときは、微粉と湯の当て方を直す」にまとめています。
細口のケトルもドリッパーも要らない
フレンチプレスは、細口のケトルや紙のフィルターを使わずに淹れられます。容器に粉と湯を入れて、時間を計るだけで抽出できます。細く一定に湯を注ぐドリップの技術がなくても、同じ手順で淹れられます。
350ml前後の小さめのフレンチプレスなら、今回の分量でほぼ満杯まで使えます。粉と湯の量を同じ比率で増やせば、2杯分・4杯分にも合わせられます。時間と湯温はそろえたまま量だけ増やすと、濃さが安定します。片付けも、容器とプランジャーを洗うだけで終わります。器具の数が少ないので、出したまま置いておいても場所は小さく済みます。
フレンチプレスに向く豆とドリップとの違い
フレンチプレスは金属の網で漉すので、豆の油分がそのままカップに残り、こくのある味になります。紙のフィルターを使うドリップより、口当たりが重く感じられます。細かい粉がわずかに残るので、飲み口にざらつきが出ることもあります。カップの底に粉がたまってきたら、そこから先は飲まずに残しておきます。
豆は、こくと苦味がはっきり出る深煎りが合います。浅煎りだと、酸味の印象がより強くなります。焙煎度ごとの違いは「浅煎り・中煎り・深煎りは、酸味と苦味のどちらを飲みたいかで選ぶ」に書いています。
ドリップとの味の違いや使い分けは「フレンチプレスvsドリップ|味の違いと使い分けガイド」に書いています。フレンチプレスは注ぐ角度や速さを覚える必要がなく、時間さえ計れば同じ味に近づきます。
よくある質問
4分より長く置くとどうなりますか
4分より長く置くと、抽出が進みすぎて苦味と渋みが強くなります。時間を計り、4分をこえたらすぐにプランジャーを押します。
粉が細かいとどうなりますか
粉が細かいと、金属の網を抜けてカップの底に沈みます。挽き目をひとまわり粗くすると、粉っぽさが収まります。
洗うのは面倒ですか
プランジャーとふたを外すと、洗うパーツは数個で済みます。使ったらすぐに水で洗うと、網の目に粉が張り付くのを防げます。
粉の量を増やすと濃くなりますか
粉を増やすと濃くなります。湯の量は250mlのまま変えずに、粉だけを1〜2gずつ増やして濃さを確かめます。粉と湯の比率を保ったまま両方を同じ割合で増やすと、量は増えても濃さはそろったままになります。
